材木屋のOさんはといえば、材木屋という仕事そのものが、存亡の危機に直面している。流通は、すでに海外から安い外材を大量に輸入してくる商社に握られ、商社だけでなくメーカーも、より安いコストの資材を調達するために、海外からの木材の仕入れに積極的だ。中には、コストの安い海外で、窓枠などは加工までして国内に持ち込むメーカーもある。こうしたところと、張り合う力は、今の国産材の材木屋にはない。外材に比べ、割高になってしまった国産材で商売をしていこうと思ったら、どんな木でも使うしかない。
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棄てられてしまうような間伐材でも、節がある木でも、とにかく手をかけて売らなくては、国産材自体の流通が途絶えてしまう。国産材の流通が途絶えると、材木屋だけでなく、林業家も生活していけない。Oさんの仲間には、林業に携わる人も多い。そうした人たちが、―人、また一人と、廃業している。林業家は、木を山から伐り出すだけでなく、山の手入れをし、山を育て守る。だから、林業家を失った山は、荒れて、死んでいく。山がダメになると、良い材木が市場に出てこないので、材木屋も死ぬ。こうした悪循環の中で、Oさんが出した結論は、どんな木でも流通に乗せ、商売として成り立たせていくしかないということだった。